エッセイ 「言葉と心のあいだには」
言葉と心のあいだには、きっと何かがあるのだと思う。
言いかけてやめたその瞬間や、言ってしまった後の後悔や・・・
そのとき心は何を想い、そして何を伝えたがっているのだろう。
相手にではなく、自分のどこか見えない何かに。
心がとてもちっぽけなものに、急に思えて途方に暮れるとき
私はよく、夜空を見上げます。
人が星に憧れるのは、たぶん、心を遠くに運んでくれるから。
・・・そんなふうに私は思う。
言葉にすれば恥ずかしいけど、でも、星は運んでくれる。
これは、私の正しさだ。誰がなんと言おうとも。
私が生きて死にゆくわけや、この人生の不思議さを
星々はたゆまなく運んでくれる。
その場所から見下ろした時、はじめて私は本当の意味での
ちっぽけな私の存在に気付く。そして同時に、
誰もが同じちっぽけな存在に、私はあらためて気付いてゆくのだろう。
それでいいのだと思う。
人生は思うほど、複雑でもただの苦しみでもない。
とても単純でちっぽけなものだ。
心がそれを認めてしまえば、羽が生えたように軽くなる。
大切なのは、実はそんなこと。
心に羽根が生えている人・・・
どんなに偉い肩書きよりも、私はそんな人でありたい。
見えないけれど、どうしても、そんな羽根を持ちたいんだ。
今日も私は夜空を見上げます。
小さな羽根を広げるために
そして、魔法の
言葉をそっと唱えるために。
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